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page 1/2 実験前夜
理系の知恵
「流しソーメンでジェットコースターみたいにクルッと縦に一回転させるにはどうしたらいいっすかね」
これは、ぼくが理系っぽい人に出会うたびに切りだしてきた質問だ。ここ数年、仕事の打ち合わせでも飲みの席でも、とにかく隙あらば"理系っぽい"人を見つけ、問いかけた。どの人も思わぬ不意打ちにとまどいながらも、ある時は易しく、ある時は難しすぎてちんぷんかんぷんな言葉で答えてくれた。でもつまるところ、結論はみな「不可能だろう」ということだった。
そして、今年も夏が来た。
先人の功績
じつはwebを検索してみたところ、まるっきり同じことを考えていた先人がいた。"いつもお世話になっています"な@niftyのこのページだ。
やってんじゃん、とワクワクしながら読んだが、このページでは試行錯誤の結果、当初の計画とは違う形での一回転を成果としていた。もちろん、それはそれでアリだと思う。でもぼくはやっぱり、ジェットコースターみたいな一回転が観たい。
勢いあまったぼくは太いホースを買ってきて自宅の4階から垂らし、予備実験をやってみた。先人の実験では水の勢いが足りないということだったから、すごく高いとこから流せばなんとかなるんじゃ、と思ったのだ。
水浸しになりながら、まさに理系出身の会社の先輩に相談してみたとき、返ってきた言葉を思い出す。
「あのな、その程度の高さでなんとかなるんだったら、プールにある大きな滑り台でも一回転できるってことだろ。そうなると思うか」
いえ、思えません。文系のぼくでも、いまならそれがわかる。
見切り発車の挑戦
ところが一方で、これも数年前から各方面に打診していた「流しソーメン用の竹」が、ある伝手で調達できることになった。ならば、せっかくだから今年の夏こそ挑戦してみたい。でも、肝心の方法がみつからない。
そんななか、とりあえずは竹をもらう準備をと、鋸などを買いにホームセンターに出向き、ある商品に目がとまった。高圧洗浄機。水をものすごい圧力で噴出して、コンクリの汚れなどを洗い流す機械らしい。これだ!これならやれるんじゃないか。
流しソーメン以外の使い道はとくに思いつかなかったが、すぐ購入。後日、埼玉にある竹林で竹を数本とらせてもらい、見切り発車気味に、実験の日を迎えた。