へびラブ
2013年は、へび年だ。そして、ぼくはへびが好きだ。細くてにょろにょろしてて、なんだかかわいいじゃないか。
年賀状のモチーフとしても、へびは使い勝手がいい。ひもに見立てて結んだり、枠線にしたり、「巳」の文字がへびになってたり。年賀状デザイン集みたいな本をみると、アイディアがいっぱいだ。
しかし、並の年賀状では、ぼくのへび愛を伝えることはできない。そこで、へびをくねくね文字の形に曲げて撮影し、その写真だけで年賀状をつくってみることにした。
へびラブ(ただしぬいぐるみのみ)
といっても、本物のへびは嫌だ。本物も一瞬検討したが、どこに売っているかわからないし、動物虐待な気もするし、そもそもぼくは気持ち悪くてさわれない。ぼくが好きなのはあくまで、イラストやぬいぐるみなどの、かわいくデフォルメされたヘビなのだ。
まずは東急ハンズで、出演していただくへびくんを購入する。
下部に黒い帯みたいなのがみえるが、じつはこれ、ぬいぐるみじゃなくて被りモノなのだ。
よし、あとはこのへびくんをくねくね曲げて写真を撮ればいい。ただ問題は、この時点ですでに、12月30日の夕方だということだ。
長い長い夜(&へび)
年賀状なので、なんとしても大晦日までには投函したい。となると、必然的に徹夜作業になる。もう夜で買い出しにも行けなくて撮影の準備もままならず、家にあるありあわせのものをつかってテーブルにカメラを設置する。
撮った画像からフォトショップで余分な背景を切り取り、もう一つのポーズとあわせると、こんな文字ができる。
しかし予想はしていたが、これだけなのにものすごく時間がかかった。セットでつかおうと思っていた「迎春」の「春」なんか、どうやってもへびくん3つの合わせ技が必要だ。結局漢字は2文字で心が折れ、アルファベットをそろえることにした。
全て撮影し終わると、次は切り抜き作業が待っている。日付がかわって大晦日に突入。ひたすらしんどいが、ここで立ち止まると年賀状はできない。単純作業と眠気で朦朧となりながら、朝方やっとすべての文字を画像にできた。
作ってみると、文字ごとに大きさが結構違う。へびの長さが一定なので、あまり曲がらない文字は全体に大きく拡がってしまうのだ。けどまあ、それも個性といえばそういえなくもない。
この文字を、「巳moji」と名付けることにした。パッと見「emoji」にみえるけどエモジじゃなく、「ミモジ」。 この時点で、31日朝5時。
ようやく年賀状づくり開始
文字が揃ったので、いよいよ年賀状にとりかかれる。が、さすがに力つきて一度寝る。起きたら昼すぎていて、かなりタイムリミットが近づいており、あわててレイアウトした。
そして、宛名面だ。裏表ともへびでつくった文字にして出すつもりだが、そもそも使える文字がアルファベットと数字と「迎」「春」しかない。そこで一枚だけ英文表記で、もし届かなくても怒らなさそうな友人あてに書いてみた。
他の年賀状は通信面のみへびだけ年賀状にし、宛名面は普通に出力して31日16時。かなりひやひやしたが、なんとか2012年中に投函することができた。
巳moji公開します
年明け、両面ともへびだけ仕様の年賀状を送った友人に電話すると、無事に届いたとのことだった。よかった。
さて、今回作った巳moji、年が明けてもうどこにも需要がない気がするが、せっかくなので公開することにする。12年後にまたへび年が来るので、その時には少しは役に立つかも。あと、撮影データを縮小せず収録してるので、看板や横断幕などにも使える大きさだと思う。使い道は皆目見当もつかないけど。
今年の年賀状はものすごい作業量なのにとりかかるのが遅く、泣きそうになったが、なんとか年内に間に合ってよかった。ただ、本来は年賀状は25日ぐらいまでに出さなきゃいけないようで、その意味では間に合っておらず、郵便局には迷惑をかけた。とくに、裏表ともへびだけの年賀状はアルファベット表記で、しかも文字通りへびがのたくったような字でさぞ読みにくかったと思う。きちんと届けてくれた郵便局員さんに感謝したい。 いつもありがとうございます。