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印刷業界からも力強い支援
色を合わせるために、カラーチップを用意することにした。カラーチップとは、印刷業界で「ちゃんとこの色に仕上げてください」と指示するのに使う、色見本の紙片だ。パソコンやスマホだときちんと正しい色で表示されてるとは限らないからね。
#c0ffeeはC25,M0,Y7,K0なので、DICカラーガイドでは「N870=ベビーブルー」(C26,M0,Y7,K0)が一番の近似色だった。アートディレクターの後輩にお願いして1枚わけてもらう。
いよいよ#c0ffeeづくりの日
今回は参加者4人がそれぞれのやり方で#c0ffeeをつくってみて、1.#c0ffee色になっているか、2.美味しいか、3.健康的か、の視点から、もっともふさわしいレシピを#c0ffeeとすることにした。
あらかじめ#c0ffeeの色の構成要素となる、さまざまな「使えそうな」食材を用意。先述の方針により、合成着色料は使わないが、合成着色料の入ったメジャーな飲食物として、アイスやかき氷のシロップ「ブルーハワイ」、あとカクテルに使われるリキュール「ブルーキュラソー」は使ってもいいこととした。
これだけあれば、なんかひとつぐらい、#c0ffee色の美味しい飲み物ができるだろう。ということで、レシピ開発開始!
事前の予想通り、「A.人工着色料が使われた青い食べ物や飲み物を使う」作戦は、何の苦もなくc0ffee色の飲み物が完成。もうこれでいいじゃないか、という気持ちになりかけるが、こんなオチのために仕事そっちのけで何時間も下調べしたわけじゃないので、「押さえ」として置いておく。
一方で、作戦B「なるだけ近い色の食材で色の再現を頑張る」は、これもまた予想どおり、健闘もむなしく「緑色」から抜け出ることができなかった。
で、頼みの綱となるのが作戦C「アントシアニン系を使って青色を出す」。用意したのはマロウブルーというハーブティと紫芋のパウダー、そして紫キャベツだ。
検証した結果、マロウブルーは時間がたつと色あせてくるものの、牛乳を加えるとそれなりに#c0ffeeぽくなった。紫芋パウダーと紫キャベツは、ともにアルカリ性にするのには、重曹を使う。実験を繰り返すうち、どうやら紫キャベツのほうが色が鮮やかに出ることがわかったので、こっちをメインにスープを作ってみた。
6つのレシピが勢ぞろい。さてそのお味は?
というわけで、半日作業の結果できたのが、以下の6つの液体だ。
右から
- サーティワン・アイスのチョコミント味からチョコを濾した液体
- ガリガリ君ソーダ味を溶かして牛乳を加えたもの
- 紫キャベツを煮出した汁に重曹を加え、粉末ポタージュスープと混ぜたもの
- マロウブルーに牛乳を加えたもの
- 粉末青汁に豆乳で溶いたもの
- グリーンカレーのペーストになにかしらをごちゃごちゃ混ぜたもの(詳細はすでに不明)
となる。さあ、#c0ffeeタイムだ。
お互いのものも飲んでみての、主な感想は以下。
「やっぱりガリガリ君がいちばん簡単に、#c0ffee色に近い液体になったね」
「しかも味も思ったほどヘンじゃない。というかソーダ味にミルクってまろやかになって美味しい!」
「けど着色料入ってるからなあ」
「その点アントシアニン系は、着色料無添加でかなりうまくいった!」
「マロウブルーは最初びっくりするね。キレイな青色で」
「でも冷めると色が褪せていくのと、あまり美味しくないのが惜しいかな」
「紫キャベツのスープ、これはうまい!」
「おいしいね(全員一致)」
「ちゃんと色も再現できた。ただこれって単にジャガイモのポタージュスープの味だな」
「キャベツの味はしない。粉末スープの味だ。悪い意味で素材の味」
「青汁とグリーンカレーは…」
「うん。もういいじゃない。ぼくらよく頑張ったよ」
(※このあとすべて、スタッフが美味しくいただきました)
One More Time
と、これで一応、このネタにはけりがついた。このまま報告まとめても、それなりに面白くつくれるだろう。でも。
もうちょっと、やれるんじゃないか。
たぶん、答えは紫キャベツ+重曹にある。今回ポタージュスープを入れてその味になってしまったが、ちゃんと紫キャベツの味を活かして、もっとシンプルなレシピが作れるはずだ。そこで……。