#c0ffeeをつくろう

A story of making the new drink for Geeks

top-image

東京庚申堂 > 庚申堂ラボ > #c0ffeeをつくろう

page 2/3 Reseach

印刷業界からも力強い支援

色を合わせるために、カラーチップを用意することにした。カラーチップとは、印刷業界で「ちゃんとこの色に仕上げてください」と指示するのに使う、色見本の紙片だ。パソコンやスマホだときちんと正しい色で表示されてるとは限らないからね。

これが色見本帳。買うと結構お高い

#c0ffeeはC25,M0,Y7,K0なので、DICカラーガイドでは「N870=ベビーブルー」(C26,M0,Y7,K0)が一番の近似色だった。アートディレクターの後輩にお願いして1枚わけてもらう。

あった。これが基準の色となる

いよいよ#c0ffeeづくりの日

今回は参加者4人がそれぞれのやり方で#c0ffeeをつくってみて、1.#c0ffee色になっているか、2.美味しいか、3.健康的か、の視点から、もっともふさわしいレシピを#c0ffeeとすることにした。

宴の支度はととのいました
(クリックで拡大)

あらかじめ#c0ffeeの色の構成要素となる、さまざまな「使えそうな」食材を用意。先述の方針により、合成着色料は使わないが、合成着色料の入ったメジャーな飲食物として、アイスやかき氷のシロップ「ブルーハワイ」、あとカクテルに使われるリキュール「ブルーキュラソー」は使ってもいいこととした。

青色用食材
本命はほぼそのままの色のガリガリ君
白色用食材
何ベースの飲み物にするかがこのチョイスで決まる
黄色用食材
黄色はたぶん少しでいいが、味に貢献しそう
そして、緑色用食材
勝算は少ないが揃えてみた

これだけあれば、なんかひとつぐらい、#c0ffee色の美味しい飲み物ができるだろう。ということで、レシピ開発開始!

まずは各食材の味を確認
「ブルーキュラソーってちょっと苦いんだね」
簡単なものから
サーティワンで買ったチョコミントアイスを
電子レンジで解凍
"チョコ"部分をペーパータオルで濾すと
ミント味の液体がとれた
「ガリガリ君(ソーダ味)」もレンジで解凍すると
鮮やかなブルーに
思ったより青が強かったので牛乳でのばすと
みごと、#c0ffee色に近づいた!

事前の予想通り、「A.人工着色料が使われた青い食べ物や飲み物を使う」作戦は、何の苦もなくc0ffee色の飲み物が完成。もうこれでいいじゃないか、という気持ちになりかけるが、こんなオチのために仕事そっちのけで何時間も下調べしたわけじゃないので、「押さえ」として置いておく。

一方で、作戦B「なるだけ近い色の食材で色の再現を頑張る」は、これもまた予想どおり、健闘もむなしく「緑色」から抜け出ることができなかった。

青汁に豆乳などを混ぜてみたもの
「…うーん」
グリーンカレーベースになんだかいろいろやってみたもの
「ああもう、取り返しがつかないなこれ」

で、頼みの綱となるのが作戦C「アントシアニン系を使って青色を出す」。用意したのはマロウブルーというハーブティと紫芋のパウダー、そして紫キャベツだ。

マロウブルー。お湯を注ぐだけで濃い青色のお茶に
紫芋パウダー。こちらはもともとは紫色
紫キャベツは、千切りにして煮出した汁を使う
科学の実験ぽく、pHをはかる道具も用意した

検証した結果、マロウブルーは時間がたつと色あせてくるものの、牛乳を加えるとそれなりに#c0ffeeぽくなった。紫芋パウダーと紫キャベツは、ともにアルカリ性にするのには、重曹を使う。実験を繰り返すうち、どうやら紫キャベツのほうが色が鮮やかに出ることがわかったので、こっちをメインにスープを作ってみた。

紫キャベツをコトコト煮てその汁を使う
アルカリ化させるために重曹を少しずつ投入
最後にポタージュスープの素を混ぜる。ややトロッとしているが、色はかなり#c0ffeeに近い

6つのレシピが勢ぞろい。さてそのお味は?

というわけで、半日作業の結果できたのが、以下の6つの液体だ。

今回の#c0ffee候補6エントリー(クリックで拡大)

右から

となる。さあ、#c0ffeeタイムだ。

各自が自分の作った#c0ffee候補を、責任を持って飲む

お互いのものも飲んでみての、主な感想は以下。
「やっぱりガリガリ君がいちばん簡単に、#c0ffee色に近い液体になったね」
「しかも味も思ったほどヘンじゃない。というかソーダ味にミルクってまろやかになって美味しい!」
「けど着色料入ってるからなあ」
「その点アントシアニン系は、着色料無添加でかなりうまくいった!」
「マロウブルーは最初びっくりするね。キレイな青色で」
「でも冷めると色が褪せていくのと、あまり美味しくないのが惜しいかな」
「紫キャベツのスープ、これはうまい!」
「おいしいね(全員一致)」
「ちゃんと色も再現できた。ただこれって単にジャガイモのポタージュスープの味だな」
「キャベツの味はしない。粉末スープの味だ。悪い意味で素材の味」
「青汁とグリーンカレーは…」
「うん。もういいじゃない。ぼくらよく頑張ったよ」
(※このあとすべて、スタッフが美味しくいただきました)

素敵な日曜午後のひととき

One More Time

と、これで一応、このネタにはけりがついた。このまま報告まとめても、それなりに面白くつくれるだろう。でも。
もうちょっと、やれるんじゃないか。
たぶん、答えは紫キャベツ+重曹にある。今回ポタージュスープを入れてその味になってしまったが、ちゃんと紫キャベツの味を活かして、もっとシンプルなレシピが作れるはずだ。そこで……。

date:2012.09.30