離乳食で知る赤ちゃん進化論

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ベビーフードを対象年齢順に20種類+α食べてみた。

page 1/3 生命の誕生〜6ケ月

プロローグ・だって美味そうに食べるんだもの

彼らは実に美味そうにそれを食べる。口元に用意されたスプーンにパクリと食いつき、歯のない口でモグモグしたあと、満足そうにこちらに微笑みかける。ひょっとしたら、いまぼくが食べているものよりも、そっちのほうが美味いんじゃなかろうか、と思えてくる。そ、それをぼくにも食べさせてくれぇ〜!

離乳食。
はたして、どんな味なのか。大人が食べるに耐えるものなのか。食べることで、大人も赤ちゃん気分になれるのだろうか。今回はそこらへんを調べてみようと思った。

まずは離乳食を買いに、アカチャンホンポに行ってみた。 離乳食になじみのないぼくは当初、「りんごの擦りおろし」とか「かぼちゃのペースト」とかが数種類あるのだろうぐらいに、軽く考えていた。ところが売り場にいってみてビックリ。陳列棚にはそれはもうたくさんの種類があり、しかもリゾットだの茶碗むしだのと、大人も好きそうなメニューがそろっていたのだ。赤ちゃんてば、けっこうグルメ。

しかもよくみると、それぞれに「○ヶ月から」と、対象年齢(というか月齢)が書かれていて、成長するほどに、より本格的なメニューが食べられるラインナップになっている様子。 ならばいろいろ試してみたい、と思って、棚から適当に20種類の瓶詰め離乳食を選び、さらに赤ちゃん用のお菓子なども加えて購入した。

これ全部食べます。合計3580円也。

今回同席してくれたのは、春に入籍したばかりのケンイチくん&アイさん夫婦。新婚なのにこんなのに巻き込んじゃってごめんよ。 あと、たまたまヒマそうにしていたヒロコさんとぼくを含めた四人で、食べくらべする。 せっかくたくさん買ったので、商品の対象年齢順に食べていくことにした。離乳食を食べながら、赤ちゃんの成長を追体験しようというわけだ。

第0章・「4ヶ月から」は原始のスープ


最初に食べたのは、おかゆだ。
実はアカチャンホンポの売り場中を探して、いちばん早い適齢期表示だったのが、この「赤ちゃんとお母さんのおかゆ」と「赤ちゃんとお母さんのおもゆ」の「4ヶ月から」だった(飲料除く)。「おもゆ」よりは「おかゆ」のほうがまだ食べ応えがあるだろう、と思って、こっちを選んで買ってきた。

作り方は簡単。大さじ山盛りいっぱいをお湯で溶いて混ぜるだけ。参加者一同、数十年ぶりの離乳食生活の始まりにとまどいを隠せなかったが、一口食べて思わず安堵の声をあげた。
「うまい!」

見た目は、工作用の糊に近い。
30年ぶりの離乳食生活へ。

思ったより、しっかり味がした。粉を湯で溶いただけなのに、ちゃんと米のつぶつぶ感もあって、ちゃんと「食べてる」って感じがある。ただ予想どおり、若干薄味。こんなこともあろうかと思って用意しておいた各種調味料のうち、塩コショウを振りかけて食べてみた。

禁じ手かもしれない大人の調味料。
さっそく使ってしまった。
アイ
「これなら立派に食事になる。歯の強制してたときにこれを食べればよかった」

のっけから過去食べなかったことを悔やむほど、評判は上々だった。 これは幸先いいスタートだ。

第1章・「5ヶ月から」で味の差が生まれた


ここからはすべて、キューピーの瓶詰めベビーフードになる。 一社の商品に限定したのは、同じ商品で対象年齢によって差があるかどうかを知りたかったから。キューピーにしたのは、単にビジュアルの雰囲気による。

この子に胸キュン♪

キューピー製品としての離乳食デビューである「5ヶ月から」のラインナップは、商品名にすべて「うらごし」という言葉がついているのが特徴だった。全9種類あるうちの3種類を食べてみる。

かぼちゃとさつまいも(うらごし)
ヒロコ
「カボチャっていうよりマンゴーっぽい味がする。フルーツも入ってる?」
アイ
「食べられなくはないけど、単調な味」
フルーツヨーグルト(うらごし)
ケンスケ
「品種改良により、味を極限まで抑えました、って感じだね」
りんご(うらごし)
ケンイチ
「この中では、一番うまい」
ヒロコ
「やわらかくて、やさしい味。でも物足りないです」

いきなりトーンダウン。 なんといっても、味がすごく薄い。香りもあまりない。「これならさっきのおかゆのほうがいい」という後ろ向きな意見まで出た。まさかの幼児退行だ。

この「うらごし」感が、大人のハートをつかみきれない。

第2章「6ヶ月から」で香りが進化する


ここから、「おかず」っぽいメニューが登場。5ヶ月が「素材」っぽいラインナップだったのに比べると、これは事件だ。全3種すべてを食べた。

ささみと緑黄色野菜
ケンイチ
「ダシの香りがする!食事っぽくなったけど、味は薄い」
ケンスケ
「たしかに、香りがあるのに味があまりしないから、一口めで裏切られるね」
白身魚とマッシュポテトのクリーム煮
ヒロコ
「これも香りがありますね。ホワイトソースの香りかな」
ケンイチ
「やや味はうすいけど、うまい」
マンゴープリン
ケンイチ
「いける。さっきのりんごとかとはぜんぜん違う。香りがある」
ヒロコ
「香りのぶん、おいしいですね」

この時期の商品は、香りが強くなったのがいちばんの特徴だった。しかし味はあいかわらず薄いままで、噛みごたえもほぼ、変わらない。うーむ、ずっとこんなものなのかなあ。早くも今後の展開に不安がよぎる。

date:2006.04.22


Text by 東京庚申堂