第六回 2004.08.30 配信



みなさんこんばんは。
満月の日の夕方配信される東京庚申堂の読み物、 六回目の今日は、ふとした思いつきのお話です。





蟲話06 「宗教法人化への道」


◆ 日曜日の思いつき

東京庚申堂が「宗教法人」を名乗ることができたら けっこう面白いかも。 そう思いついたのは、ある日曜の昼下がりのことでした。

もちろん、きっとそう簡単には認証されないでしょう。 でも今後なんとか頑張れば、数年後にはひょっとして うまく認証されちゃうかもしれない。 そう思って宗教法人の設立について調べてみました。


◆ 宗教法人の作り方

宗教法人の設立や運営は、「宗教法人法」という 法律に基づいておこなわれているようです。

宗教法人は公益事業に係る法人税と、 宗教施設に係る固定資産税等が非課税になります。

ようは寄付に税金がかからないってことでしょうか。 まあ年商10万円、寄付金320円の庚申堂には関係ないけれど、 これはあきらかに優遇ですね。

宗教法人の所轄庁は、その主たる事務所の 所在地を管轄する都道府県知事とします。

ということは、ぼくらの場合窓口は都庁になります。 ふむふむ。

宗教法人の設立には、以下の項目を満たす 宗教団体が存在していなければなりません。

いよいよ来ました。 まるで雑誌の適性度チェックをやってみる心境。 よし来い!

-> 一定の教義があること
これは大丈夫。yes. 古く道教より連綿と受け継がれてきた教えがあります。

-> 儀式行事を行っていること
これも当然大丈夫ですね。yes. 庚申堂はきっちり60日に一度、庚申講をやってます。

-> 信者がいること
まあこれもOKでしょう。yes. 毎回の講には、人が集まってきてくれます。

-> 公衆礼拝の施設があること
 お、ありますとも。yes.  庚申堂本堂には、立派な祭壇だってあります!

-> 宗教教師がいること
いるいる! それはぼくです!yes!

・以上の要件を備えた宗教団体で、
-> 過去数年以上活動実績を有すること。

庚申堂は今年で4年目! だから丸三年は実績があります!! よって、yes!!

…あれ、これでおしまい? ということで、条件はなんなくクリアしてしまいました。 ならばこれは…、やってみるしかないではありませんか。


◆ いざ、都庁!

「んー、だめですねこれは。礼拝施設が賃貸じゃあ」

その週のある日、会社を抜け出して 都庁の生活文化局都民生活部管理法人課に出向いたぼくは、 意に反して簡単にダメ出しされました。 そう。どうやら礼拝施設は、自前じゃないとダメみたいです。

余談ですが都庁の担当職員は、鼻息あらく迫る 目の前の若造(ぼく)を、あからさまに招かれざる客扱い。 いろいろ上記項目をチェックしたあと、礼拝施設のところで 鬼の首をとったかのように勝ち誇って云いました。

サービス業の自覚なき浅はかな高姿勢に 「この税金ドロボーめ!これだからアンタらはいつも、  小役人ってバカにされるんだ」 という思いに駆られましたが よく考えると、こんなネタのために公務員つかまえて 時間食ってる自分のほうが税金ドロボーか、と思いなおし、 そこは矛をおさめて帰りました。


◆ 求む

てなわけで、庚申堂は宗教法人にはなれませんでした。 でも、「なんだ、そんなことなら土地と建物をくれてやる」 という、粋でお金持ちな個人もしくは企業がありましたら すぐ私までご一報ください。 たぶん、あと土地と建物さえあれば、認可おります。




ここのところ雨続きで肌寒くて、 とうとう夏も終わっちゃった感がありますね。 今日は曇り空を眺めながら、 過ぎ去った夏の日々に思いをめぐらせてみる、 なんていうのはいかがでしょうか。
次の満月は、九月二八日です。







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